有名なメーカーの"容器"には
裏方のものづくりの技が詰まっている
あらゆる”容器”を、作る側の視点で展示している施設。
普段気づきにくい”容器”の工夫の数々を、楽んで知ってもらいたいという想いを伺いました。
- Date:2022.12.19 9:30~
Interviewee:蛭田 美穂様(容器文化ミュージアム スタッフ)
Interviewer:木原 智美(フィールドアーカイヴ 代表)
- 1 「施設の基本情報について教えてください」
- 2 「この施設をつくろうと思われたきっかけを教えてください」
- 3 「常設展示に際し、他の施設にはないユニークな品や見せ方などは何ですか」
- 4 「開館当初の見せ方から変化した部分はありますか、もしあればなぜ変化させましたか」
- 5 「続けていくにあたって苦労されていること、お困りごとがもしあれば教えてください」
- 6 「その他、ご来場の方々に何かお伝えしたいことはありますか」
- 7 見学した際の感想
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質問1「施設の基本情報について教えてください」
木原
こちらの施設は「容器文化ミュージアム」ということですが、正式名称も同じになりますか?
蛭田スタッフ
そうです。
木原
運営母体はどちらになりますでしょうか?
大きなオフィスビルの一画にある施設で、ビルの案内に「東洋製罐」という社名がありましたが、この会社が運営されているのでしょうか?
蛭田スタッフ
はい。正式には「東洋製罐グループホールディングス株式会社」が運営母体となります。
東洋製罐グループホールディングスで運営していますが、グループ共通のミュージアムという位置づけです。
木原
「東洋製罐」はホールディングスだけではなく、もっと多くの会社が存在するということでしょうか?
蛭田スタッフ
「東洋製罐グループ」として多様な容器を生産しており、グループ全体として、情報発信や利用活用できるようにということでミュージアムがあります。
木原
「東洋製罐グループホールディングス」の社員の方が、ここ専任ではなく、他の業務をしつつ運営をされていると。
蛭田スタッフ
他の業務も担当しています。
木原
館長みたいな方はいない、ということでしょうか?
蛭田スタッフ
企業ミュージアムは、館長を置いているところもあれば、置いてないところもあります。弊館の場合は置いていないです。
木原
では、蛭田さんの肩書はどういう感じになるんでしょうか?
蛭田スタッフ
私は広報を行っている部署に所属していますが、ミュージアム業務をするときは「ミュージアムスタッフ」としています。
木原
なるほど。
ところで、蛭田さんはこの施設の立ち上げから関わっていらっしゃるんでしょうか?
蛭田スタッフ
「ミュージアムをつくることになったから、立ち上げの手伝いをしてほしい」と声を掛けられ、転勤して立ち上げメンバーとなりました。
現在は本社勤務ですが、グループ会社である東洋製罐株式会社の工場出身です。
工場では総務を担当していました。
木原
施設をつくるにあたっての特別なスキルをお持ちだったんでしょうか?
蛭田スタッフ
元々は、コンピュータ関係の仕事で、プログラムを作ったりしていました。
工場のプログラムは、現場の機械と連携があるので、現場のことをよく知る必要があります。
缶詰の缶の作り方とか、ペットボトルの作り方とか、知ったうえでプログラムするので、現場に行く機会が増えるのです。
当時、事務の女性で、現場に頻繁に出入りし、現場に詳しい人は少なかったので、お客様の見学案内を頼まれるようになりました。
現場や製品の作り方とかの知識を持っていたので、徐々に慣れて工場全体の接客対応の担当もするようになり、本社の人がお客さんを連れてきたときにも案内をしていたので、本社の人たちも私を知っていて、適任という話になったようです。
木原
なるほど。説明がきちんとできる蛭田さんのような方が適任者と判断されたんですね。
ミュージアムの入口受付に電話をする場所がありますが、説明してほしい、みたいな場合に対応されていらっしゃるのですね。
蛭田スタッフ
この展示の案内を詳しく聞きたいとお声がけいただいたときには降りてきて解説しています。
私がいない時は他の広報グループメンバーも解説できるようにしています。
質問2「この施設をつくろうと思われたきっかけを教えてください」
木原
では次に、この施設ができたきっかけ。なぜここに建てられたかといった話をおうかがいできますか。
蛭田スタッフ
この場所は、2000年まで東洋製罐東京工場があった場所です。
東京工場にあった、缶を作るためのラインを他の工場に移設や統合し、跡地に本社を建てることになりました。
本社を建てるにあたり、ちょうどこの地区が都市開発対象地区だったので、その基準に合わせて建てました。
目の前に小中一貫校があり、裏にも小学校があります。
昔はこの辺りは町工場がたくさんありましたが、マンションが建ち始めて住宅も増えてきたというところに、本社ビルを建てるとなったため、1階は皆さんに使っていただけるものを併設することになりました。
子どもたちも近くにいるので、子どもから大人まで皆さんに容器会社があることを知ってもらうよい機会になるということで、1階に容器の文化を発信するミュージアムを作りました。
木原
なるほど。そういう経緯でここに容器のミュージアムができたのですね。
ここはもともと工場の跡地だったそうなのですが、工場自体はさかのぼるといつ頃からここにあったのでしょうか?
蛭田スタッフ
工場ができたのは1920年なので、102年(注:2022年12月時点)前ですね。
木原
102年!すごい前ですね…。
では、歴史のコーナーのパネルに書かれている容器会社の創業物語はここで生まれたということでしょうか?
蛭田スタッフ
創業地は大阪になります。
1917年に大阪で日本初の容器専門会社として、東洋製罐ができました。
東京工場は大阪工場のあとにできた工場です。
木原
本社は今こちらの東京都品川区、東五反田になっていますが、大阪でも同じような形で会社があるということですか?
蛭田スタッフ
大阪にはいまは泉佐野市と吹田市に工場があります。
工場は各地にありますが、本社は東京になります。
質問3「常設展示に際し、他の施設にはないユニークな品や見せ方などは何ですか」
木原
わかりました、ありがとうございます。では次の質問に移らせていただきます。
常設展示に際し、ほかの施設にはないユニークな見せ方などは何かありますでしょうか?
蛭田スタッフ
「容器」というテーマで考えたときに、分別とかリサイクルとか、そういう視点で紹介している施設はあるかと思いますが、容器を作る側の視点で、容器文化を伝えるミュージアムというもの自体が珍しいというか、特徴的だと思います。
木原
ちなみに、日本で同規模で容器を作られている会社は他にはないと考えて良いのでしょうか?
蛭田スタッフ
容器を作る会社のほとんどは、缶を作る会社、プラスチックボトルを作る会社、紙容器を作る会社と分かれていることがほとんどですが、弊社の場合はいろいろな素材の容器を作っており、容器の情報を総合的に紹介できるのです。
木原
この「容器文化ミュージアム」、本社内にあるとはいえ、一見すると一社提供の企業ミュージアムという感じがしませんでした。
なぜ、”自社の事業紹介” という感じを出していないのでしょうか?
蛭田スタッフ
容器会社は、製品がコンビニエンスストアなどで売られるときには、パッケージに社名が記載されません。
飲料メーカーや食品メーカーの名前で売られるものなので、元々名前を出す文化がありません。
ミュージアムも白を基調にしていますが、自分のカラーよりも、メーカーさんそれぞれのカラーを印刷してから出荷するのが容器会社の仕事なので、ミュージアムにもその精神を反映しました。
展示に関しても、容器のことを知ってもらいたいというのが一番前面に来るので、社名があまり出てきません。
木原
確かに全体的には白が基調になっている感じなんですけど、いろんな色が入っていますよね。
この感じというのは意図があったんですか?
蛭田スタッフ
白だけだと展示を紹介しづらいというのもあったので、差し色を入れて、色別にテーマ展示にしました。
ミュージアムのロゴについても色に全部意味があるんです。
「情熱」を表していたり、「自然」を表していたり、そういう意味があってこのロゴの色になっているので、それに合わせてミュージアムの中の展示も、ロゴの色と意味に合わせています。
紫色であれば「歴史」であるとか。
木原
紫色は「歴史」、緑色はなんですか?
蛭田スタッフ
緑色は、「自然=環境」ですね。
木原
なるほど、館内見まわしてみると、確かに色別でテーマがわかれていますね。
蛭田スタッフ
ミュージアムロゴにある色に沿って、崇高さとか文化とか知的という部分で、紫を歴史コーナーにし、緑であれば「自然」とか「環境」とか「大地」というところで、環境コーナーにしています。
木原
ロゴやテーマ、よく考えられている施設ですね。
この館を建てられるときに、社外のどなたかとチームを組まれたりしたのでしょうか?
蛭田スタッフ
社内には、缶を作っている会社、ガラスびんを作っている会社、紙コップを作っている会社などそれぞれのグループ会社があって、各社からメンバーを募って社内で「ミュージアムを作るためのチーム」を作りました。例えば缶の会社出身者は紙コップのことをあまり知らなかったので、総合的に容器を紹介するために、各社のメンバーが必要でした。
そこに製作会社に加わってもらって、話し合いを続けながら何年もかけてできたという感じになります。
木原
何年くらいかかったのでしょうか?
蛭田スタッフ
ふわっとしたイメージを伝える話し合いから始まり、何年もやっていた感じですね。
木原
このミュージアムができたのはいつになりますか?
蛭田スタッフ
できたのは2012年です。
木原
前年の2011年は震災で、大変だったんじゃないですか?
蛭田スタッフ
地震があったときに、ほとんどこのビルもできていたのですが、無傷だったと聞きました。
耐震構造を、当時の最高レベルで作っていたそうで、地震が起こるとは誰も予想していなかったですが、必要以上のレベルで建てておいてよかったねって言っていました。
木原
そうだったんですね。
ちょっと話がそれてしまったので再度、具体的に他の施設にはないユニークな見せ方等がありましたら教えてください。
蛭田スタッフ
「容器」というある意味偏ったテーマですが、だれにでもかかわりのあるものなので、興味のない人はまずいないのではないかと思っています。
来ていただければ「知ってる知ってる懐かしい」と感じてもらえると思います。
木原
そうですよね。
展示物も身近なものばかりだったので面白かったです。
奥のほうの、ピッとバーコードを読み取ると内容がわかるとか、押して正解がわかるのとか、見せ方が面白かったです。
例えばペットボトルに入った牛乳はある?とか。
蛭田スタッフ
Q&Aコーナーですね。牛乳は紙パックで売られていますが、他の容器に入れることを考えた場合、缶に入れるのはダメで、ペットボトルは法律上よくなったのに、まだ普及していないなどクイズになっています。
木原
法律でそこまで決められているとは知りませんでした。
確かに缶やペットボトルの牛乳はあんまり見ない。なるほど、と思いました。
あとは紙パックに炭酸を入れたら、気が抜けちゃってうまくいかないみたいなのがあったりして。
蛭田スタッフ
紙パックの炭酸はありませんが、将来もしかしたらできるかもと思うと、面白いですよね。
木原
そうですね。
そういう見せ方、自分で正解を考えながら答えが見られるような見せ方が面白いなと思いました。
あとは、子どもの見学会みたいなのももちろんあるんでしょうね。学校や団体で。
蛭田スタッフ
東京都内だと、中学生たちが班別行動で、自分たちで調べて6人くらいで都内を回る際に来館される、というのがあります。
遠くからは修学旅行があります。その場合にはバスで乗り付けて一度に来館されます。弊館は狭いので1クラスが限界なんです。(笑
木原
確かに、一度に100人は難しそうですね(笑
ところで団体予約などで、ワークショップみたいなのもされているのですか?
蛭田スタッフ
「タイムカプセル缶づくり」というプログラムがあります。
食品の缶詰は特別な施設でないと作れませんが、手紙など、食品でなければここでも缶詰にできます。未来に向けた手紙を書いて、缶に入れて、ふたを閉めて巻締をし、自宅や学校で保管してもらうという感じです。
二十歳になったらみんなで開けようねって決めている学校さんもありますよ。
木原
それは面白そうですね!
家族でもOKなんでしょうか?
蛭田スタッフ
予約が空いていれば体験できます。
木原
タイムカプセル缶、家族で予約して作りたいです。
最後のコーナーに置いてある自動販売機でも、色々なオリジナルグッズが売られてますよね。
自動販売機でも容器文化ミュージアム関連グッズが購入できるのが面白いです。
そういえば、すごく気になっていたのですが、「缶の作り方」の映像で登場する大量の缶たちはどうなってしまったんでしょうか?
蛭田スタッフ
容器って本来はメーカーさんのブランドが印刷されるので、それをここで映像を流すには適していないので、ミュージアムのオリジナル印刷にしましょうとなりました。2分の映像を作るのにすごい数の缶ができちゃうんですよ(笑
で、どうしようかなと思ったときに、貯金箱になるように蓋をつけて“貯金缶”にし、団体予約された方にお土産で差し上げよう、となりました。
在庫がなくなり次第終了なんですが、相当の在庫があるので、まだしばらくは差し上げられるかな、というところです。
木原
よかった、グッズとしてちゃんと使われているんだ(笑
謎が解けました、ありがとうございます。
質問4「開館当初の見せ方から変化した部分はありますか、もしあればなぜ変化させましたか」
木原
2012年開館ということですと、ちょうど10年になりますね。
これまでに変化させた部分や、なぜ変化させたか、理由などがありましたら教えてください。
蛭田スタッフ
歴史を紹介しているコーナーで、過去を紹介する展示は変更することはありませんが、中央の容器の形をしている展示台は、現代の技術を紹介するコーナーで、時代に沿って内容が変わるため、デジタル展示にしています。
木原
なるほど。
当初から、変化がある部分には柔軟に対応できるよう考えられていたのですね。
蛭田スタッフ
実は想定外だった場所がありまして、世の中の変化に合わなくなったのが、環境コーナーです。
当初は3Rを教えるような展示をしていました。
でも今は3Rって当たり前で、わざわざ人に教えてもらうものではなくなってきています。
そこでSDGsやサステナブルという言葉に差し替える展示に変更しました。また、当初のスペースでは足りなくなってしまったので、展示スペースを倍の大きさにしました。
木原
確かに!
昔は3Rっていわれていましたが、いまはSDGsっていわれていますし、かなり環境への意識が高くなってきていますね。
蛭田スタッフ
当初はここまで環境コーナーを変えなきゃいけないというところまでは想定していませんでした。
木原
プラスチックは環境に良くないから使わないようにしないとっていう風潮が近年盛んに言われるようになってきて、「容器文化ミュージアム」としてはどのように考えているかっていうことを提言していかないといけないという感じでしょうか?
蛭田スタッフ
今、ペットボトルとかプラスチックのコップとか、プラスチックが良くないという話が出ていますが、すぐにプラスチックと離れて暮らすことはできません。
そういった問題とどう付き合っていくかというのを伝えていきたいな、と考えています。
日本の場合には子どもの頃からリサイクルに親しんできたので、リサイクル率がとても高くて、リサイクルが確立されているのですが、欧米などで、プラスチックイコール悪のようにとらえている国もあります。それはリサイクルが日本ほど進んでないとか、確立できていないということも関係しますね。
木原
そうなんですね。
日本は欧米に比べてリサイクルの意識が遅れているかと思っていました。
確かにいわれてみれば、ペットボトルは必ずペットボトル専用の場所に捨てています。
蛭田スタッフ
プラスチックだけではなく、そういった諸々の問題とどううまく付き合うかというところを伝えていくのがこのミュージアムの役割でもあると思っています。
木原
とても大切な提言ですよね。
質問5「続けていくにあたって苦労されていること、お困りごとがもしあれば教えてください」
木原
続けていくにあたって苦労されていること、展示の企画でのご苦労などあればお聞きしたいのですが、常設展以外の企画展はされていますか?
蛭田スタッフ
コロナ前はしていました。
年に2~3回の企画展と、年に1回夏休みイベントを行っていたんですが、コロナになってから休止しています。
ありがたいことに本当にたくさんの方に来ていただけるので、密回避の方法がどうしたものかと思っていて、まさにそこが困っています。
夏休みイベントは、ミュージアムの上にある、同じくらいの広さの会議室を使って、容器を使った工作教室や、段ボール迷路などを設置して遊んでもらったりしていました。
とてもたくさんの方に来ていただけて嬉しかったのですが、このコロナ渦ではできないねっていうことで2年間休みにしましたが、今回の夏はオンラインイベントにして、人数限定でようやく開催できました。
企画展は通常時と同様に自由に皆さんに入っていただくという感じで、開催していました。
ある企画展でとてもたくさんの方に来ていただいたことがあり、常にたくさんの人が館内にいる状態だったので、コロナ禍で開催するにはその時と同じ状態になることは避けなければなりません。
木原
そんなに大人気な企画展とは。ちなみにどういう企画展だったのですか?
蛭田スタッフ
容器のパッケージに関する企画展で、例えばカニ缶なども「こういう絵は使っちゃいけない、こういう表現は使っちゃいけない」という決まりがあります。果汁を使ったジュースも、果汁使用率によって、パッケージに載せるフルーツは、断面を見せてはいけないなど、決まりがあります。
木原
そうなんですね、それはぜひ見に行ってみたかったです。
昔、うずらの卵の缶詰のデザインをしたことがあったのですが、とにかく他にはないデザインを目指してしまいました(笑
蛭田スタッフ
お茶も、缶やペットボトルにお茶って書いてあればお茶だなと素直に思うけれども、もし長靴にお茶って書いてあったら「買うかな、飲みたいと思うかな」という視点の展示がすごく人気がありました。
木原
それは人気がでますね。
もう過ぎたことですが、見に行きたかった(笑
蛭田スタッフ
企画展もそろそろ再開したいなと思っているのですが、手に触れない展示にしなければいけないとか、コロナ禍でも楽しめる展示というところで悩んでいます。
木原
あとは、他館との連携とかはされていますか?
蛭田スタッフ
ミュージアムを作るにあたって、他の館を見学させていただいたときに、ミュージアムの集まりがあると紹介していただいて、勉強会みたいなものに参加しています。
そこで情報交換もしています。
木原
具体的に、表立ってどこかと提携してお客さんが見て回る、みたいな感じはありますか?
蛭田スタッフ
品川区がウォークラリーを開催したときは「うちの次そっちだよね」という連携を意識した会話をしていましたが、自分たちでも館連携の企画をしてみたいと思っています。
質問6「その他、ご来場の方々に何かお伝えしたいことはありますか」
木原
それでは最後の質問になります。
ご来場者の方々にお伝えしたいこと。
これを見ていただきたいとか、ここ実は気づきにくいけど見ていってね、みたいなことがありましたら教えてください。
蛭田スタッフ
「容器文化ミュージアム」には常駐のスタッフがいないので、見るポイントが難しいかとは思いますが、無料でいつでもどなたでも入っていただけるようにしているので、フラっと来ていただいて、自分の気になるところを見ていただければそれでいいかなと思っています。世代によって気になるところはそれぞれです。
まずは容器会社があるということを知っていただき、容器ってこんなに工夫しているんだってことも知っていただきたいです。
容器の工夫は普段使っているときは、おそらく気にされていないと思いますが、ここを見ることで、このように使いやすいのは、こういう工夫がしてあるからなのかと知ることができます。
普段家にあるもの、冷蔵庫に入っているものに関しても、こんな工夫がしてあるんだって、家に帰ってからも感じることができます。そういうところをたくさん知って楽しんでもらえたらと思います。
木原
ミュージアムだけでなく、容器業界の話も色々伺うことができてとても勉強になりました。
お時間いただき、貴重なお話をしてくださいまして、ありがとうございました。
見学した際の感想
木原
インタビューに応じてくださったミュージアムスタッフの蛭田さんは元工場のプログラマーさん。
私も本職はウェブプログラマーなので、思わず「接客ばかりで、たまにはプログラムの仕事がしたくなりませんか?」と質問してしまいました。
蛭田さん曰く「したくなりますね。でも、好奇心が強くて日々の出会いに飽きないのと、ミュージアム内にデジタルものが多くてメンテナンスの判断が自分でできるので。」とのこと。
確かに館内のデジタル機器のメンテナンスに困る施設もあるので、修理ができるスタッフが内部にいるのは強い。
お話を伺っていて、蛭田さんだけではなく「東洋製罐」という会社そのものが非常に理系の、裏方&職人気質な会社だなと感じました。
メーカーが宣伝している新容器も実際はこちらの会社が作っていることが多いとのこと。
そういったことを前面に出さず、社名も出ない状態で日々裏方として努力する会社と知り、企業サイトを裏方で制作する一介のウェブプログラマーとして、かなり共感してしまいました。
そんなモノづくりの会社が作った、容器に特化したミュージアム。
「容器文化ミュージアム」と「文化」がついているのもあり、館内の雰囲気が柔らかいので、なんとなく当初は文系っぽい抽象的な施設かなと思っていたのですが、わかりやすい工夫が満載の、機能美が感じられる施設でした。